3月21日付けで、パシフィックフィルハーモニア東京(旧東京ニューシティー管弦楽団)のクリエイティヴ・ディレクターに就任しておりますが、その第一段として『こどもクラ コドモ扱いが嫌いなこどものためのクラシックコンサート』を、7月15日(土)14:00〜東京芸術劇場 コンサートホールで行います。
クラシック音楽の新しい聴き方を提案する《爆クラ》もすでに100回を越えて、コンサートプロデュースなどの機会にも恵まれてきましたが、今回の就任によってアイディアを実現化する機会が増えてきます。最近ワタクシの肩書きに正式に加わった「おしゃべりカルチャーモンスター」的なステージを次々とつくっていきますので、どうかよろしくお願いいたします。
手始めにまず手がけるのが、こども関係、ですよ!!! クラシック音楽は教育と非常に関係が深いので、「こども向け」は今も昔も飽和状態。ちなみに、不肖、父の湯山昭も合唱やピアノ曲などで、高度成長期にこどもジャンルにたくさんの曲を書いています。
さて、「こども向け」クラシックコンサートの実情はといえば、申し訳ないが「私がこどもだったら絶対にイヤだっただろうな」というシロモノばかり。こどもだから複雑で、センスがあって、暗い系はきっと分からない、とばかりに、クラシック入門編のような当たり障りのない「名曲」が並び、幼児番組定番のキャラMCがお決まりの司会進行を担当する、といった具合。
こう言っちゃナンですが、作り手がイメージしているお母さん(サイフのヒモを握っている)は、昭和の良妻賢母な専業主婦なんでしょうねぇ。しかし、今どきの彼女たちは、BTSのあのダンスグルーヴを愛で、伊藤若冲の展覧会に足を運び、ゴルチエのミュージカルショウに足を運ぶような教養強者。何も知らないオンナ子どもに、クラシックの教養あるオトナ(オヤジ)が「クラシックってこ〜んなに面白いんだよ」と目線を下に、あえて道化モードで教えてあげる、という体(ホントに私はこういうのが嫌)というのではない、クリエイティヴな「こども向け」を真面目につくっていこう思っています。
ということで、企画した今回のコンサートですが、演目にはヒナステラ/バレエ音楽「エスタンシア」組曲 より第4曲「マランボ」や(このポリリズムを客席子どもたちの手拍子と一緒に演奏します)、湯山昭の子どものための交響組曲より 第2楽章「海の子ども」、エルガーの弦楽セレナード、そして、本邦初演の風船を使った現代音楽なんぞをプログラムに入れています。
そして、指揮者にな、なんと、フランス・ドーム交響楽団音楽監督であり、欧米の第一線で活躍中、かつ作曲家としても著名な阿部加奈子さんを起用。コンセプトに強く賛同していただいて、オランダとのZoom会議ではエラく盛り上がってしまいました。
MCも凄いよ! 普通コレ系は、専門の幼児言葉wwwをしゃべるお兄さんやお姉さんが担当するのですが、 ドラァグクイーンのマダム・レジーヌがタコの女王、タコ江に、現代美術アーティストのトースティーがフラミンゴの妖精、フラ美に扮するのです。予算もないので、ワタクシが台本、書くしかないし(涙)!!
「音楽は初期の経験がカギ。はじめに楽しい体験をすれば自ずと好きになります。そんな稀有の機会! 私も子供と行きます。脳の刺激を求めて」
と、テレビ番組でも良くご一緒する、脳科学者の池谷裕二からコメントをいただきましたが、そんな刺激的なコンサートになればいいな、と。そう、このコンサート、オトナ向けでもあります。いわゆる、クラシック聴覚のガイダンスとしてもナイスなプログラムを組んでいるのです。
7月15日(土)14:00開演(13:00開場)
パシフィックフィルハーモニア東京
こどもクラ コドモ扱いが嫌いなこどものためのクラシックコンサート!
会場:東京芸術劇場 コンサートホール
演奏:パシフィックフィルハーモニア東京(旧東京ニューシティ管弦楽団)
指揮:阿部加奈子
司会:フラ美とタコ江
プログラム:
ヒナステラ/バレエ音楽「エスタンシア」組曲 より第4曲「マランボ」
アンダーソン/ワルツィング・キャット
シベリウス/組曲「レンミンカイネン」より 第2曲「トゥオネラの白鳥」
ヨハン・シュトラウスII世/ポルカ「雷鳴と電光」
ラヴェル/「マ・メール・ロワ」より第3曲「パゴタの女王レドロネット」
グリーグ/「ペール・ギュント」組曲第1番より 第4曲「山の魔王の宮殿にて」
サン=サーンス/死の舞踏 作品40
エルガー/弦楽セレナード ホ短調 作品20より 第2楽章
湯山昭/子どものための交響組曲より 第2楽章「海の子ども」
フランチェスコ・フィリデイ/狂気のエクササイズ
(順不同、プログラム、出演者は予告なく変更となる場合がございます)
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