いやー、怒濤の二日間でした。
(二日間の一日目の9/25)
まずはこの日、TBS特番で、10月5日11:50放送予定の、「シンデレラ画報」のスタジオ収録のため、砧のスタジオ入りしました。雛壇のひとりとして出演したのですが、バラエティー番組の制作現場体験は相当に興味深いモノでした。一時間番組を作るために、たっぷりと時間をかけ、リハを行います。
リハはホンモノの司会であるタレントふたり、今田耕司さんと柳原可奈子さんではなく、スタッフが台本通りに進めていくのですが、ここで私たちは、「司会のフリが無い限りは発言の機会が与えられない」という過酷な現実にぶち当たります。そして、雛壇の人間はもともと、そういう気ではないにしても、その現実を前にして、強制力が働くんですよね。
他のトークセッションの場合、「割り込む」ことで発言の場を確保できるのですが、その「突っ込み」の権限を与えられているのは多くは司会者だけ。とすると、台本上自分の番が回ってきた少ないときだけが、約束された発揮どころ、なのですよ。ここいら辺、twitterと似ていますよね。とすれば、質問に対して、紋切り型を裏切る、かつ言い切り型のフレーズで応戦することが効果的だと分かってくる。
素人雛壇番組として有名なのは、「恋のから騒ぎ」ですが、あそこに出ている素人出演者たちが、露悪的ななっていくのが非常に理解できました。明石家さんまがおもしろがれる、かつ好みの女の子たちだけが雛壇のヒエラルキーで勝ち組になることができるわけです。あの場は女性のリアルな恋バナという体裁ですが、司会のさんま氏がその生殺与奪をにぎっているだけに、彼の女性観の反映となる。弾けているようで、実はけっこう古くさい男と女の関係がベースだったりします。
ということは、この番組のテイストは司会者に大きくかかってくるということになります。番組は女性の情報番組の体裁を取りながら、その実、かなり過激でリアルな女性の美容や性癖の現状を披露するというもので、男性司会者に「こんな女、信じられねー」というような蔑視や逃げの感覚が横たわっていると、これ、大きく"キワモノ"に傾いていくという心配も出てくるわけです。現に若いスタッフによるリハは、そういうテイストが感じられなくもなかった。しかしながら、本番の今田耕司さんの司会は、そういった危惧をはらいのけて、素晴らしいものでした。
リハを経て、つい露悪に走りそうになる出演者がいると、彼はそこに突っ込まずに軽く交わして話を進めていきます。(ここ、凄く重要なことで、この番組を支持するはずの女性視聴者の辛口の目は、そういう、女の発言者を多分、許さないからです)加えて、男としての自分の体験に則した興味、これは世論、ということですが、それを見事に質問化してバランスを取ってくれるんですね。
柳原可奈子さんのサブ司会も上手かったなー。瞬発力かつ、前述した同性ならではの意地悪目線による突っ込みの切れ味が良いことといったら!! この収録の長丁場、最後の方までテンションと細やかさが変わらないという点にも、プロの凄さを感じました。生き馬の目を抜く競争の中で頭角を現すおふたりだけのことはあります。
フェリーニの『アメリカの夜』やレッドフォードの「クイズ・ショウ」などの作品を通じて、テレビや映画の非日常な祝祭空間を見知ってきましたが、やはり現実の現場は迫力に満ちていました。大人数のスタッフが一丸になって、そのパワーが数時間の中に凝縮されるという"異常事態"そして、それがデイリーに行われているという世界。番組を余裕で仕切って、颯爽と帰る今田さんの後ろ姿は、「ゴルゴ13」のようなハードボイルド感満載でしたね。番組内では、ゲストの私たちの固有名詞を連呼していましたが、仕事が終わればさっぱりと消去して、また次の戦場に出向くんでしょうなぁ〜。
写真はユーレカちゃん。実は彼女が上智大外国語学部生だったころからの知り合いだったのだ。オモロイ女!!
(二日目)
7月に続いて、<月観ル君想フ>と組んでの「美人寿司の夜」第二回目のドイツ編です。タッグ相手は、ベルリンのジャズトリオの <ジョニー・ラ・マラマ>。会場は代官山の"M"。いつも顔を出してもらっている、御常連、ドン小西さんや野宮真貴さんを筆頭にまたまた、いろんな人たちが遊びに来てくれました。Ustチームとして、関智さんの番組「関っちなう」も参入。いつも日本酒をご提供いただいている瀬古酒造さん、そして、今回の食材にご協力いただいた、葡萄屋さん、どうもありがとうございました。
近い将来、本当に女だけ9人の美人寿司をやる計画があるのでその第一号というわけです。野宮真貴ちゃんは、「美男寿司もやってよ」と言っていましたが、それはまた、別個の企画有り!をわさび替わりにつけた巻き寿司が手前味噌ですが、秀逸でした。ソーセージのちょっと強めの塩気が赤酢とよく合うのです。
JLMの演奏は、二度目ですが、至近距離で観ると、ベースとギターが役割を交代したり、プレイヤーオリエンテッドな細かい引き出しが目白押しでした。ギターもタフサウンドでちょっと面白い音がするな、と思っていたら、カスタム仕様。そして、問題の"表現"そのものですが、これは映像のシンクロなども使い、欧州カルチャーの中にある古典的なアヴァンギャルド、といった色合い。古典的とアヴァンギャルドは対立用語ですが、心ある文化系の方々はこの意図するところがおわかりになるはいず。「ジャズは死んだ」とアイロニカルに彼らは歌ってはいますが、死んだ、後の続け方としての菊地成孔、ファイブ・コーナーズの意識的なスタイルがあることに対して、彼らはマジに素朴でしたね。これは、悪いことではなく、この構えで突き進むと、演奏的には骨太感が出ます。惜しむらくは衣装で、彼らの"ユニフォーム"である、軍服よりも、白いスーツでこの"肉体派"をやっていただきたかった。
もとい、美人寿司は、今回初めて、若女将をデビューさせました。
近い将来、本当に女だけ9人の美人寿司をやる計画があるのでその第一号というわけです。野宮真貴ちゃんは、「美男寿司もやってよ」と言っていましたが、それはまた、別個の企画有り!
そして、今回、女将の頭上に輝いたのは、伝説の編み師、203gowさんのオリジナル。「竜宮城のかんざし」というお題に「こう答えるのか!!」という凄い作品。ありがとうございました。
それとですね。
お客様の中で、写真を撮っていらっしゃった方、ぜひ、お送り下さい。カメラ忘れちゃって、自分のを撮っていないんですわ〜。お写真はこのページに逐次貼り付けさせていただきまーす。
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